先日パソコンの音周りに手を入れたものの、ヘッドフォンはソニーのMDR-505という10年以上使っている安物(でも毎日使っている)ということで今回新調しました。
最近近所に電気屋がオープンしてヘッドフォンが大量に展示されていて、いろいろ試聴しました。
ヘッドフォンの試聴って店舗が用意できる再生機器に限りがあるのでごく限られた機種になりがちなのですが、その店舗は「お手持ちの機器に接続してお試し下さい」という状態でした。これなら店舗側がヘッドフォンごとに再生機器を用意する必要がありませんし、客側にとっては試聴できる機種が多いですし、聞き慣れたソースで試せるのでなかなか画期的だなあと感心しました。
スマホを色々なヘッドホンに接続して試聴し、その中で気になったのがソニーの「MDR-XB950」というヘッドフォンでした。
「EXTRA BASS」ということで重低音をウリにしているそうですが、試聴した限りでは中音以降の音の伸びも悪くないなと思って即購入しました。
恥ずかしながら安物にありがちなブリスターパックではなく紙箱のヘッドフォンは初めてです。パッケージングも丁寧だなあと感じました。
MDR-XB950は密閉型(パッドが耳を覆うタイプ)ですが、装着感は窮屈ではなく長時間付けてもあまり疲れは感じませんでした。
上写真のパッケージングの状態のとおりドライバーユニットを横にして持ち運び時に嵩張りにくくすることが出来ますが、キャリングケースやポーチは付属していません。
ケーブルは両耳から出ているタイプでやや短く、平べったい「きしめん」タイプでした。ソニー曰く絡みにくくするためで、実際絡みにくいです。プラグはL型のミニプラグ(3.5mm)です。なお、標準プラグ(6.3mm)への変換プラグは付属しません。
ミニプラグなのはともかく、L型なのはこのグレードのヘッドフォンでは珍しい気がします。なんか安っぽい感じがしますが携帯プレイヤーやスマホとは相性が良いですし、ケーブルが短いのもポータブルユースを想定しているのかもしれません。
…ということで、PCに接続しているUSB DAC「PC100USB-HR」に接続して聴いてみました。
第一印象は「あれ?ものすごい音が篭もってる?」と感じました。別の音楽に変えても同じ印象です。
低音は確かに良く出ていますが、中音域が大きく犠牲になっている感じです(高音はそれなりに出ている)。
中音が命のポップス系はほぼアウトで、クラシック系は全滅です。圧縮音源で高音が削れた低ビットレートのモノだと更に顕著です。ロスレスやハイレゾの音源だとかなりマシですが、それでも「マシ」というレベルです。
店舗で試聴したときと印象が全く異なり、店舗の試聴用だけにエージングされているからかなと思いましたが、ここまで違うのもおかしい話です(そもそもわたしは都合良く音が良くなる「エージング」という概念に疑問を持っているタイプです…)。
もしかすると騒がしい店舗で試聴したから良い音に聞こえたのかもしれません。他のヘッドホンは外部の騒音に負けているものの、このヘッドフォンはそんな悪環境でもしっかり音が出ているという事で。
…とはいえ、わたしは外で音楽は聴かず(聴くとしてもごついヘッドフォンを付けるのはイヤです…)、このヘッドフォンも自宅専用で買ったのでこの音は少々戴けないかなと思いました。
ただ、すべての音がダメではなく、電子楽器がメインであるテクノやニューエイジ系はかなりいい音を出しています。これらのベースやドラムの音は生の楽器以上の低音が出ますが、その音が心地よく感じます。低音を重視しているユーロビート系の曲も良いと思います。
さらに、このヘッドフォンが「凄い」と思ったのは音楽ではなく、ビデオや動画を見たときやゲームをプレイしたときでした。映画やゲームの効果音(特に爆発音や地響きなど)は迫力があり、密閉型も相まって没入できます。
…ということで、色んな意味で個性的なヘッドフォンだなと思いました。
中音域の解像感はイマイチなので音楽をじっくり聞くのには向きませんが、音源によっては普通のヘッドフォンでは感じない楽しい音を聞かせてくれますし、動画やゲームには抜群の相性だと思います。わたしは普段からゲームやパソコンで動画(Amazonのプライム動画など)を見たりゲームをプレイしているので、丁度良かったかなと。
もし店頭などで試聴できる機会があったらその個性的な音を楽しんでみて下さい。
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