2年ぐらい前の話ですが、連れの者用にショップブランドのノートPCを買いました。
当時、昔プレイしていたオンラインゲーム「マビノギ」を再開したので、満足にプレイ出来るようにとそれなりにスペックの良いタイプにしました。

10年以上前に流行った「マビノギ」をプレイするにはオーバースペックですが、余裕のあるスペックにしたら長く使えますし、他のオンラインゲームに浮気しても満足にプレイ出来るものをということで。
ただ、保証期間を過ぎた1年過ぎ当たりから動きが怪しくなり、使用している最中に甲高いビープ音が鳴り続ける状態でした。
最初、何が原因かよく分からなかったのですがビープ音が鳴ってもOSは動き続けてしばらくすると収まるので、発熱が原因じゃないかなと思いました。メモリエラーとかでも鳴りますが、その場合BIOSやUEFIで止まりますし、OSはフリーズするはずですし。
夏場という事もあったので室温の低くなる冬になれば落ち着くだろうと思ったのですが、余計ヒドくなって、OSが立ち上がった直後にビープ音が鳴って「プスン」と強制シャットダウンされるようになりました。仕方なく「電源オプション」でCPUの使用率を強制的に下げましたが、それでも焼け石に水の状態。

結局、連れの者は「プレイ出来たものじゃない」とPCを眠らせると同時に、マビノギも引退となりました。それからは寂しくソロプレイして現在に至ります。(まあ、それ以前に飽き気味でしたが…)
またマビに復帰させたい…というわけでもないですが、折角買ったノートPCで眠らせるのは勿体ないと、リペアしようと思いました。
ファンがフル回転しても排気口から風が出ない感じだったので、ファンの故障かゴミでも詰まって回らなくなったかどっちかだろうなと中を開けてみることにしました。
(本記事を参考にしての分解や改変をされる場合は、自己責任でお願いします。当方は一切責任を負いません。)


肝心のファン周りですが、ヒートパイプ付きのヒートシンクで、両サイドの排気口にシロッコファンが2つ付いています。CPU(Core i7-6700HQ)とGPU(GeForce GTX 950M)は熱そうですし、2つあっても放熱が間に合わないんじゃないかなと。

ヒートシンクを見る限り浮いている感じも無く、ネジはガッチリと緩みが無かったです。外してグリスつけ直した方が良いかなと思いましたが、とりあえずそのままです。
前述の通りシロッコファンの風量がイマイチだったので壊れてないことを祈りつつ、むき出しの状態のまま電源オンして負荷を掛けてみると、両方のファンがスムーズに回りました。
故障ではなさそうです。

普段ピーピーうるさいPCですが、この状態で高めの負荷を掛けても全く鳴りませんでした。
もしかして吸気に難がある設計不良じゃないかなと外した蓋を見て思いました。

熱を持つPCにしては吸気口が少なくてこれは明らかに設計不良じゃ……と思ってよく見たら、上写真の右の穴の部分が、実は穴ではなく単なる溝だということに気づきました……。

吸気口のある側より、無い側の方が細かいホコリやらなんやらで黒ずんでいます。新鮮な空気を吸いたくても吸えなかったと、シロッコファンのもどかしさというか苦悩のようなものが伝わってきました。排気が少ないとか壊れてるとか疑ってごめんよ…と(汗)
…ということでこの溝を掘って通気口を作りました。
カッターで切ろうと思いましたがプラ板がやや厚く通らなかったので、ガスコンロで刃を炙りながら溶かし切りました。

蓋を閉めて起動させましたが、ビープ音も発生せず順調です。電源オプションで「高パフォーマンス」(CPUの省電力無し)に切り替えて、先ほどのTVアプリを動かしたりウイルススキャンを掛けたりCPU負荷を掛けても問題無しです。しかも定格2.6GHzのCPUですが、TurboBoostで3GHz超えていることもあるぐらい余裕が生まれています。あんな小さい通気口ひとつでここまで改善するとは…エアフローって重要なんだなあと。排気口に手を当ててみると、出てくる風量が大きくなったので改善の効果が出ています。
最終試験としてマビノギ…では物足りないと思ってFF14ベンチマークをループで1時間流しました。
さっきまでと異なりGPUもフル稼働状態になり、発熱がMAXの状態となります。さすがに3回目以降はファンが常時フル回転状態でとても耳障りとなりましたが、落ちることも不安定になる事も無く、無事完了しました。耐久テスト大成功です。


…ということで、リペアに成功しました。
ショップブランドでマイナーなPCですが、同じのを使っていて熱暴走で悩んでいたら、参考になれば幸いです。
でも夏場はやっぱり不安だなあ…。また不安定になったら通気口をもっと増やそうかなと思います。