2020年は新型コロナウイルス流行の一年でした。
これを書いているときも現在進行形なのですが、家でおとなしく過ごす「ステイホーム」が重要なのでどこにも出かけることなく暇でした。
なので、暇つぶしに料理をしようかなと前々から気になっているオーブンを買おうかなと思いました。
モノはパナソニックのオーブン「ロティサリーグリル&スモーク」です。

このオーブンの大きな特徴として肉が回転して焼けるという機能があります。
あと、燻製もできるのがウリの一つでもあって、アウトドア(貸別荘ですが)で毎年のように燻製していたわたしにとっては、コロナ禍で旅行自粛のストレスから解放されそうな気がします。「これがあればいつでも燻製できる」ってな感じで連れの者も欲しがっていましたし。
パナソニックって良く言うと質実剛健、悪く言うと遊び心がないメーカーというイメージ(※個人的感想)ですが、これはユニークな商品だなと発売当時から気になっているオーブンでした。
ただ、自宅でスモーク臭は大丈夫なのだろうかとか、こういう便利な調理器具でも飽きるのは早いのではないかと購入についてはずっと躊躇していました。
…なので、まずは試用ということでレンタルで手配しました。往復送料込・数千円で借りられるサービスがあります。レンタルでの試用レポはスチームクリーナー以来ですが、スチームクリーナーはイマイチでしたので買う前に試用して良かったなと思いましたし。
発注して届いた個体はレンタル品にしてはきれいな状態で、燻製臭かったり黄ばんでるだろうなと思ったら意外でした。
本体はオーブンレンジをやや低くした程度のサイズ感ですが、付属品でいろいろな網や皿があって豊富です。庫内は奥行きはありますが幅は一般的なオーブントースター程度ですので大きめのピザはそのまま焼けません。食パンは目の細かい焼き網を使って2×2の配置で4枚一気に焼けますが二人暮らしのウチではオーバースペックだなあと。
とりあえずテストがてらこれを使って肉を焼くことにしました。
レシピブックにはいろいろな作例が載っていて、材料さえあればいろいろな料理が楽しめます。
レシピには赤身のブロック肉に塩・コショウ・ニンニクを擦り付けてしばらく置いてから焼くとのこと。下ごしらえはかなりシンプルです。
焼きは「ロティ」モードを使い、網は特殊なものを使って庫内にある歯車でグルグル回しながら焼く、この機器オンリーワンの機能です。
網のセットですが、肉を回転させるための庫内の歯車と網の歯車をかみ合わせる必要がありますが、これがなかなか一発で決まりません。スイッチを入れても回らなければセットし直し……の繰り返しで何とかなりました。「ロティ」のローストビーフ専用モードを選択すると43分と表示されました。
…ということで焼かれている様子を動画を撮ってみました。(音声はありません)
こんな感じでゆっくり回りながら焼かれます。
いい匂いを漂わせながら待つこと43分で完成です。焼き色もローストビーフらしい良い色をしています。
オーブンで料理するのは初めてなので結構感動モノです。
一般のオーブンでローストビーフを作る場合は余熱で数時間中心まで火を通すために寝かせる必要があるのですが、このオーブンでは前半でしっかり焼いた後に後半は弱めにヒーターで温めるよう加減されているおかげで調理後すぐに食べられます。
試食しましたが見た目同様、市販のローストビーフと遜色ありません。600gの塊肉で作りましたが、この分量が市販だと多分材料費(1022円)の倍以上の値段になるだろうなあと。贅沢に厚切りで頂き満足です。
同じ調子で焼豚を作りました。こちらは醬油ベースの漬けダレを作って半日ほど寝かせるなど仕込みにやや手間がかかりますが、オーブンの操作手順はプリセットされているのでほぼ同じで、焼き時間は57分。ローストビーフより時間が掛かります。
お歳暮のCM(最近ない?)に出てくるような焼き豚の塊の良い焼け具合に嬉しくなります。
味も市販レベルで個人的にローストビーフより満足しました。肉も豚肩ロースにしたので500gで500円切ってローストビーフよりかなり安く作れますし。
こんな感じで「ロティ」については満足な性能でした。
欠点としてはロティ用の焼き網が洗いにくい上に長時間炙る形になるので汚れが落としづらいところです。自分で買ったものなら適当に洗っても問題ないのですが、借り物なので丁寧に洗う必要があります…。
次にもう一つの目玉機能である燻製を作ってみました。
どんな感じで燻製するのだろうと思ったら、専用の燻製皿にチップを入れて、その中で燻すようです。なので燻製できる量がかなり限られます。
こんな感じでセッティングする必要があるのですが、結構面倒ですし、アウトドア燻製慣れしている自分としてはやりづらいです。
というのも、アルミホイルで密封するので仕上がりの様子が逐一確認できませんし、燻製の温度も低温と高温なので具体的な温度が分かりません。アウトドア燻製では温度計で調整しつつ、色づきをマメに確認していくアナログな作業なのですが、そのアナログが面白いですし、細かく確認できる分、失敗も少ないです。
高温30分で作った醤油は若干失敗気味でした。温度が高すぎて時間も長かったかな…と。途中沸騰したせいか苦みも強かったですし。一応普通の醤油よりかは香りが良いのですが少々不満な結果になりました。アウトドア燻製は熱燻(80~120度で燻す)でも醤油が沸騰することはありませんが、こちらはあくまでオーブンなので、材料がかなりの高温で覆われることを失念していました。
そんなわけで温度と時間は何度か試行錯誤する必要があるので難しいなあと。
目安は説明書に記載はあるのですが、それが満足な結果になるかどうかは個人の好み次第でもあるかなと。
なお、誰もが気になる燻製中の部屋の臭いですが、想像より少なく白煙は皆無でした。感覚的にはお香を焚いた程度のレベルかなと。事前にこの機器の評判を調べた際に「臭いがすごい」というレビューをよく目にしたのですが、アウトドア燻製経験者にとっては「こんな程度か」と。
臭いが少ない理由として、アルミホイルで密封して燻す仕様ということが大きいと思います。
ただ、さすがにゼロではなくある程度の臭いはしますし、燻製未経験だと「臭いが強い」と思うかもしれません。あくまで近所迷惑レベルにならないということで、長時間&多頻度だと部屋に燻製の香りが染みつくかもしれませんし、換気は必須です。
…ということで、年末年始いい暇つぶしになりました。
ここには書いていませんが他にも料理を作ったり、連れの者はチーズケーキを作り、いい感じに焼けて味もよかったです。(撮影拒否されたので写真無し)
レンタルを終えての買いの判定ですが、買いま……せん。(某有名司会者風に)
というのも、やはり燻製の機能が見劣りします。
自宅で気軽に燻製料理が楽しめるのは良いのですが、慣れるまで時間が掛かりそうですし、セッティングも面倒です。
そして何よりも燻製料理よりも作る過程を楽しむのが好きなんだなと改めて感じました。早くアウトドアで燻製を堂々とできる日が来ないかなと。この記事を何年後かに読み返す時が来たら「コロナで昔バタバタしてたな」と思う日が来ることを願いつつ。
あと、ロティは魅力ではあるのですが、普通のオーブンとしての観点だと庫内が小さいですし、機能が弱くて連れの者からは「蒸し焼きができないのが不満」とのこと。(説明書で明確に禁止されている)
性質的にはオーブントースターに近いのですが、今使っているオーブントースターもハイエンドなタイプだしなあ…。(これもパナソニック製)
だったらもう10年以上使っていてそのうち壊れるかもしれないオーブンレンジを上位モデルにリプレースしたほうが幸せになれる気がして保留となりました。今は収納場所の問題でオーブン機能を使っていませんが、上位モデルだと背面や側面がぴったり付けられる等設置基準が緩和されていることが多いですし、ムラなく焼きたい場合熱対流能力が高いモデルであれば、上げ底の焼網を使えば同等になるかなと。
購入には踏み切りませんでしたが、こんな感じで衝動買いが防止できるレンタルは良いサービスでした。興味がある方は調べてみてはいかがでしょうか。
そういえば最近、食器洗い機が欲しいのですがどこかレンタルできないかなあ…と。
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