三十路祭りからあっという間に10年経ってもうすぐアラフォーになるのですが、この歳になると「若いうちにやれば良かった」と思うことが3つほどあります。
一つは海外旅行、二つは原付二種の取得、そして三つめは(タイトルでネタバレしていますが)「献血」です。
昔のキャッチコピーで「ハタチの献血」とよく聞いたころからも興味があったのですが、わたしの20代は夜勤が多い仕事な上に忙しく近所に献血ルームもなく献血バスも来ないといった感じで、30代前に転勤して仕事も環境も変わったものの「今更行くのは恥ずかしい」という感じで気づけば40歳目前でした。
「今更行くのは恥ずかしい」というループを断ち切ったのがコロナ禍で、「外出控えの影響で血液が足りない」という報道を見て「役に立てれば」と意を決して足を運びました。ボランティアというと体力や知識が必要なイメージが強いですが、献血も立派なボランティアです。
…ということで意を決して日本赤十字社のサイトで調べて、空いているであろう平日に一番近い所の献血ルームに足を運びましたがドキドキものです。
何事も未経験だと不安なものですが、特に今回は「こんな歳なのにで初めてなのか?」と軽蔑されないかなという別な不安もあるので。
エントランスに入ると同時に係の方に開口一番「予約ですか?」と言われて「いえ、違います」と言い、「初めての方ですか?」と言われて「はい」と答えると、「うーん……それでは400(ml献血)で良いですか?説明や待ちも含めると1時間半掛かりますけど時間ありますか?」と言われて初回説明用の机に案内されました。
なんか戸惑われた感じの対応でしたが、初回の場合でも電話予約したほうが良いらしいのでアポなしだと良くないのかなと。でもビル前での「献血にご協力お願いします!」って熱心な呼びかけを聞いて足を運ぶ人も居るだろうしなあ…。ルーム内は平日の午前中なのにそこそこ人が居ました。
初回の案内は説明を聞いたりDVDを見たり、身分証明書の提示と血液の研究用途の活用と血液不足時の依頼への同意書の記入と質問に答えるという流れでした。質問のやり取りはこんな感じ。
職員の方「海外の生まれですか?」
わたし「いえ。(生粋の日本人です)」
職員の方「中南米育ちですか?」
わたし「いえ。(日本出たことないです)」
職員の方「イギリスに滞在したことがありますか?」
わたし「…いえ。(だから日本出たことないです)」
職員の方「海外からの帰国4週間以内ですか?」
わたし「……えっと、パスポートすら持ってませんので…」
職員の方「そんなこと聞いてません!」
わたし「すみません…。”いいえ”です。」
質問が多く事細かで、この後もタブレット端末で同じような多くの質問に答える必要がありましたが、これも安全な血液を提供するために必要なことです。項目が多い上に内容によっては献血できない場合もあるので事前にWebサイトで条件を確認したほうが無難です。

患者の方への血液や薬剤となりますので責任をもって献血に臨みましょう。
例えば体調不良だったり外傷がある場合は断られる可能性がありますし、風邪薬を服用したり、3日以内に歯科に行った場合はNGですし予防接種も種類ごとに細かく定義されています。ちなみにコロナウイルスのワクチンですが、48時間経過後かつファイザーもしくはモデルナ製のワクチン限定で献血可能です(2021年9月現在)。
初回説明が終わった後は受付で質問事項をタブレットで答えます。先ほどの口頭での質問と多く重複していましたが初回なので仕方ないかなあと。
最後に次回からの認証用に暗証番号と指の静脈を撮って受付完了です。受付の時点で結構長かったですが2回目以降は楽なはず…。
受付が終わって次は医師の方による問診です。受付での質問事項に問題が無かったので血圧の測定です。普段より血圧も脈拍もかなり高く出ましたが緊張しているので…。そう言うと苦笑されて測りなおすと通常値となりました。特に問題が無かったので次に進んで血液検査です。ここでは血液型と成分分析です。血液型については目の前で血液と薬剤を混ぜて見せてくれました。
成分については「血小板が少ないですね。あと血液がやや濃いので水分を摂ってください」と言われてこちらもパスとなりました。ちなみにいずれも健康診断で下限や上限ぎりぎりで指摘される項目です。
フードコートにあるような呼出機を渡されて再び待合室兼休憩室に戻ってから水分を採るべくカップ2,3杯ほどのドリンクを採った後にトイレに行ったらちょうど呼び出しが来たので処置室に入りました。いよいよ献血です。
可動式のイスに靴のまま座った後に針が刺されます。「針が太いので刺されると痛い」と事前に聞きましたが、個人的には点滴の針とそこまで差は無い感じでした。あとは終わるまで待つばかりで目の前のペットボトルのスポーツドリンクを開栓しつつ「飲みながら足を開いたり閉じたりしてください」と説明されます。足の運動は献血後のふらつきを抑えるのだとか。血液が濃いのでスポーツドリンクはすぐ飲み干したところで終了。所要時間は10分弱でかなり早く感じました。
終わった後に看護師の方から「初めてなのですね。何かきっかけとかあったのですか?」と訊かれて、ボランティア精神だとか興味本位だとか言いづらかったので「すぐ近くに用事があったついでに」と嘯きましたが「ついででもなかなかしないものなので立派ですよ」と言われ、すごくうれしかったです。
献血後は受付で注意事項や各種イベント案内の紙、特典(この日はドーナツ)と献血カードを受け取って回復のための休憩&止血待ちです。雑誌を読みながら飲料で水分補給をして20分ぐらい居た後に献血ルームを後にしました。献血後の体調は特に問題はないものの、数時間はたまに頭や目の前が若干ぼんやりした感じになります。やっぱり少しは影響あるんだなあと。

予約の他に血液検査結果も翌日に確認できます。
そしてこの献血デビュー約2か月後に成分献血に行きました。献血デビュー後は成分献血もデビューしなければ…という事で。2回目となると戸惑いも無くスムーズで早くも常連気分です(偉そうですみません…)。
1回目が終わった後はWeb会員の登録ができてそこから予約が可能なので堂々と「予約です」と言えました。身分証明の代替として初回に撮った静脈の認証と体重を入力後にタブレットで問診です。
前回との違いは「心電図検査したことがありますか?→「はい」→検査した年月日を入力してください」という内容が追加されていましたので成分献血特有の項目と思います。わたしは毎年会社の健康診断で心電図検査がありますのでOKでしたが「いいえ」の場合拒否されるのだろうか。
医師の診断と血液検査はパスしましたが「血液がかなり濃いです。成分献血ですので多く水分摂ってください」と言われました。あと、血小板は基準内ですがやはり低めです。血小板で予約しましたが特に触れられていなかったので大丈夫なのだろうなあと。
処置室では針を刺すところまでは400ml献血と変わりませんでしたが、採血部からの上腕にカフを巻き付けられてスタートしました。このカフは不定期に腕を圧迫する形で収縮します。
そして成分献血は400ml献血と異なり、終了まで1時間掛かりました。受付でも採血前にも「時間に余裕はありますか?」と聞かれるぐらいでしたし。テレビが設置されているので暇つぶしにはなりますがいいの放送してなかったら暇だろうなあと。片手が動かせないのでスマホも使えず雑誌も読めません。(iPadを持ち込んでいる方も居ましたが)
成分献血デビューの感想ですが、血液を採っているのか戻しているのか分からない感覚がもどかしかったですが、多分次からは慣れるかと…。
(追記:カフに圧が掛かっている場合は採血、圧力が無い時が返血の状態で、周期的に動いたり不規則に動く機器もあるとのことです(看護師の方に確認)。この時は後者の機器の挙動となります)
400ml献血後の軽いぼんやり感は今回は皆無です。成分は負担が軽いと聞きましたが本当だなあと。今回の特典はドーナツの他にハーゲンダッツのアイスクリーム、レッドブルももらえました。過去にはBluetoothイヤホンやら献血バスのミニカー、アニメキャラのクリアファイルとかも特典になったことがあるそうで。
なお、今回血小板の成分献血で予約しましたが、献血カードを見ると「血漿」となっていました。やっぱり血小板が少ないから変更されたのだろうか。「変更します」とか一切言われず、カードを見て初めて気づきました。
ちなみに血漿の採取量は600mlで、分離採取した黄色いバッグを見るとかなりの量だなとびっくりしました。水分補給が重要な必要な訳です。もともと濃い血がさらに濃くなりすぎないかな?次からは水をたっぷり飲んでから臨もうかと。

…ということで、献血デビューは成功しましたので今後も世の中に貢献すべく習慣化したいと思います。わたしのように「献血に興味はあるけど行きづらい…」と思った方のために参考になれば幸いです。
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