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痔ろう闘病記 – 入院・手術編

痔ろう闘病記 > 入院・手術編

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  • 本内容は経験した内容についてを最大限にお伝えするため、表現を隠さずにそのまま記載しております(故に通常のブログ記事と隔離しています)。故に不快に感じる部分や記述が含まれますので、それらに対する表現が苦手な方は閲覧をご遠慮下さい

※本記事に直接アクセスされた方は目次の注意事項をご覧下さい。

 

◆初めての入院と手術

早く治って欲しいのですぐにでも手術を受けたいと思いつつ、やっぱりちょっと…という思いを繰り返しながら入院の日がやってきました。
痔ろうはもとより人生初の入院・手術でもあるので緊張感があります。

 

なお、痔ろうの手術は色々なパターンがあり、最近は日帰りをウリにしている病院もありますが、わたしの場合は10日の入院となりました。
「シートン法」と呼ばれる手術だと切り開く部分が最小限ですむみたいで、入院期間が少ないか日帰りらしいのですが、わたしは「くりぬき法(肛門括約筋温存手術)」という手術を行うとのことで、やはり痔ろうのタイプや病院によって方針が違うのかなと思いました。

※前回も書きましたが、医師の方が非常にわかりやすく書いているサイトがありますのでリンク致します。
→「よく分かる大腸肛門科」(「痔ろうの手術」(温存術)(シートン法)の欄)

あと入院に関してですが、これはどの病院にも言えますが、病室は4人部屋などの相部屋から個室(グレードが様々)まで選ぶことが出来ます。

もちろん個室の場合は差額ベッド代が必要で、2、3日ならともかく10日だと結構な費用になるので相部屋にしました。
個室の方が落ち着くだけで無く、トイレや風呂・シャワーも自分専用で好きな時に使えるので、こういう病気なだけにメリットが大きそうだったのですが断念です。まあ相部屋でもそのうち慣れるだろうなあと。

 

しばらく外に出られないだろうなと思いながら病院までの道を歩いていると、着いたのがあっという間に感じました。
病院に入って窓口に行って名前を伝えるとそのまま病室まで案内されました。長い入院生活の始まりです。

 

◆入院1日目(手術日前日)

部屋は4人部屋で、既に”先輩”が居るのだろうと思ったら誰も居らず自分だけかなと思ったらもう一人の方が遅れて来ました。わたしより10歳ぐらい上の方のようにみえます。4人部屋が2人部屋状態で、広く感じます。

ベッド周りのテレビや冷蔵庫の使い方、カギを渡されて「退院まで管理すること」とロッカーの使い方を説明された後に、部屋着に着替えるようにと指示されました。ごく普通の浴衣なのですが、コレを着て患者になるんだなあと思いました。

 

部屋着に着替えた後にベッドの上に座って検温と血圧の測定をし、看護師の方から明日の手術の説明をもう一人の方と同時に受けました。

今日は下剤を飲んで排便を行い、翌日は点滴と浣腸後に手術室へ向かって手術をするとのことですが、手術の際に行う脊椎麻酔の注意点がメインで、こんな感じで説明されました。

  • 脊椎に注射するときに反射的に前に動いてしまいますが、それを後ろにもたれるように意識して押し返して下さい。
  • 何時間も足が動かなくなりまるで自分の足でないように感じなくなりますが、動けるようになったら血栓ができないようにほぐして下さい。
  • 動けない間に排尿したい場合は尿瓶の使用もしくは管を挿入し導尿します。また、麻酔が無くなった後も排尿が困難な場合は導尿します。
  • 麻酔が切れると手術の痛みが出始めますが、その前に痛み止めを飲んで下さい。
    痛みは強い生理痛に近いイメージです。男性の方は想像しづらいと思いますがこの機会に味わって頂きたいと思います
  • 脊髄麻酔から3、4日間はなるべくベッドで横になり安静にして下さい。そうしないと激しい頭痛になります。この頭痛は痛み止めが効きません。

手術そのものより脊髄麻酔の方が不安になりました…。頭痛はイヤですし、導尿はもっとイヤです。

あと、「明日の手術は昼からで2,30分ぐらいです」との言っている途中でわたしの方を向いて、「あ、アナタは朝からで3,40分ぐらいになると思います」と言われました…。やはりわたしの痔ろうは重症みたいです。

 

説明を受けた後に下剤を服用し、あとは明日の手術まで自由時間です。

痔ろうでの入院生活について説明が書かれた小冊子を読んでいましたが、手術後、そして退院しても結構辛そうなことが書いています。痔ろうは手術をしたら終わりでは無くてその後が本番なのだなと改めて感じます。

その小冊子には痛み止めの服用時間と量、出血の有無、排便の回数などを書く欄があり、入院中はそれを聞くということでマメな記録が必要です。

 

テレビはテレビカードが必要で、1000円で1000分(16時間半ちょい)ぐらい見られるというものの、付けっぱなしは勿体ないですし個人的にスマホがあるだけで十分な人間(欲を言えばPCが良いですが相部屋の病室でキーを打つのは打鍵音があり躊躇います…)なのでスマホで時間を潰していました。あと、わたしは窓際のベッドだったのでワンセグも良い感じで入ります。

なお、通常病院は病室内の携帯電話は使用禁止ですが、痔の病院は生命に関わるようなセンシティブな機材がないせいか、音を出さないとか通話は病室の外でするなど、マナーさえ守れば使用は自由でした。ただ、この辺は病院により対応が異なると思います。

 

そして夜になり、初めての入院食が配膳されました。
初めてのメニューはこんな感じです。

  • 重湯
  • 鰹だしのスープ
  • りんごジュース
  • ほうじ茶

液体4種類がそれぞれマグカップで出てきました。液体だらけでびっくりです。手術前なので固形物は禁止とはいえ、これはなあ…と。
現状はまだメスも入っていない体なので一応の健康体に重湯はきついです。いっそのことりんごジュースだけでもいいと思ったのですが…。ちなみに深夜からは水の摂取も禁止です。

 

※余談ですが、この食事のインパクトに思わず写真を撮りたいと思ったのですが、やはりそこは病院&相部屋の病室なのでシャッター音を響かせるのもイヤですし、自他のプライバシーもあることから自重しました。以降、退院まで写真はありません。リアリティーのある体験記を期待していた方や入院を予定されている方には味気ないと思いますが、文章で補えたらと思います。

 

下剤は飲むのが初めてでしたが、それほど便意が急に出るわけでは無く、何度か繰り返して体感的に大腸が空になったなあと感じました。手術の備えはバッチリといった感じですが、それ以前に胃も空で空腹がキツく…。

 

消灯は病院だけあって結構早い時間に暗くなります。今までの生活は日付が変わってから寝る生活だったので、早寝は辛い上に手術だと思うとなかなか眠れないんじゃないかと思い、実際に隣の方もずっと明かりが付いていて同じ心境だったと思いますが、その記憶が最後で、思ったより早くわたしは眠りについていたようです。

明日は長い一日になりそうです。

 

◆入院2日目(手術当日)

病院の朝は早く、朝7時前に起床ですが、当日はやや早い目に目が覚め、7時になる前に看護師の方が来て声を掛けられました。

まずは手術の前に血圧と検温、そして浣腸を行い、完全に中身をきれいな状態にします。

浣腸も(おそらく)人生初なのですが、手のひらに治まるか治まらないかの球状のもので長い管があり、想像よりかなり大きいです。

看護師の方とトイレに行って注入された後「1分ぐらい我慢してから排便して下さい。排便後確認しますので流さずに呼んでください。」と言われてドアを閉めた後、言われた通り我慢しますが30秒ほどが限界でした…。
ちなみに便自体は前日の下剤&流動食効果で排出が済んでいることが前提で、この浣腸は洗浄のようなイメージです。
水様のものであれば問題ないとのことで、ここはパスとなりました。ほぼ透き通った状態で、今の大腸は最高にキレイな状態なのだろうなあと。

その後病室に戻り、点滴をしました。
点滴された後看護師の方といよいよ手術室へ。点滴のスタンドをガラガラと持ったまま入室です。

 

手術室は、無影灯と手術台があり無機質で機材が所狭しと並んだ部屋でした。
手術室って生で見たことが無いので結構ドキドキします。

手術室に入った後、名前フルネームと(予め検査はされているものの)血液型の確認をされた後、T字帯(不織布で出来た褌のようなもの)に履き替えます。なお、上は病院着でそのままです。ちなみに剃毛はありませんでした。

 

そしてTVドラマでよく見るような、手術台の脇にある心電図モニタのカフを腕にかなりきつく巻かれた後、モニタ起動。心拍数や血圧などが計測・印字されるのですが、普通の血圧計のカフと違ってかなりキツく圧迫されて痛いです…。
「ピッピッピッピッ…」と脈が音に変換されますが、そのペースが速いですし、血圧も最大値140ぐらいで普通よりかなり高くなっています。緊張と不安はMAXの状態です。

その後、「これは血圧を安定させる注射です」と言われた直後にお尻に差されて注射完了…手荒いです。
さらに不安や緊張しやすい人には安定剤も投与されるらしいのですがわたしは無いようでした。思いっきり緊張している上に不安なのですが、この程度なら大丈夫なのだろうと判断されたのかもしれません。
複数人の看護師の方が手の洗浄をしたりガチャガチャと機材を準備したりと手術の準備が進む中、担当の医師の方が入室しました。挨拶もそこそこに、いよいよ脊髄麻酔です。

 

病院着をめくり、背中を消毒された後、腰よりやや高いところの脊髄に狙いを定めようとしたとき、看護師二人がかりでわたしの腕を抱え始めました。
「え?そんなにキツいものなの?」と思っている間もなく注射されました。前日言われた通り押し返すようにしたつもりでしたがどうしても反射的に動いてしまいます。懸念していた痛みはそれほどなくごく一瞬でしたが、注射液が染み入る冷たい感覚が何とも言えず。

注射された直後、手術室にハイペースで響いていた心電図モニタの音が止まりました。

死ぬんじゃないかとびっくりしましたが、しばらくしてから「ピッ………ピッ……」とかなり遅いペースで鳴りはじめ、血圧はさっきまで140ぐらいだったのが一気に80ぐらいまで下がっていました。最大値でこんな数値はまず見ないです…。

 

その後、手術台に腹這いとなり、適度な高さまで上昇された後、両足も手術台により広げられます。足の感覚はやや温かく感じた後、感覚は確かに自分の足では無いような不思議な感覚になり始めました。

 

そして「手術を開始します」と宣言され、「お願いします」と返答した後、肛門を広げるための器具をセットするような感触がしました(当然自分からは見えない部分なので想定)。
通常の検査で広げられるだけでもイヤなのですが、痛みは全くなく、広げられた違和感だけ感じました。

その直後に、電気メスの「シャー」というような音が聞こえて、奥からブルブルと振動が伝わります。「あー。今切り始めたのかな?」という感覚です。
ただ、その震えるような振動の感覚もすぐに消えて何も感じなくなりました。麻酔の効果が完全に出たようです。
もちろん上半身までは麻酔は効いていないので、「奥の方まで入れているな」という感じの振動は伝わります。

 

手術中は下手に動けないので、ぼーっと心電図モニタや壁の時計を見るぐらいしかできません。(既に脈と血圧は安定)

理髪店の調髪のような感覚で退屈でもあり、「早く終わらないかな」という感じです。
理髪店と違うことは、医師の方は雑談をしようともせず看護師の方に小声で指示を出す程度で、黙々と作業をこなしていきます。

 

そして開始から30分ぐらい過ぎたところ、「よし、終わり!」と言われて、手術台が定位置に戻りました。本当に理髪店感覚だなあと。脊髄麻酔までは緊張しましたが、肝心の手術自体は拍子抜けです。

そして、医師の方から笑顔で「こんな感じで取れましたよ~」と、銀皿に載せられた切除した患部をピンセットでつまんで見せられました…。
そのビジュアルは焼肉屋で出てくる、焼く前のタレ付けホルモンみたいな感じです。それよりも医師がつけている手袋が血だらけで、かなり出血したんだなとゲンナリしました。

 

手術後、元の病室へ戻るため手術台からストレッチャーへの載せ替えですが、まだ麻酔が効いているので動けず、看護師2人がかりで対応です。
腹這いの状態からゴロンとストレッチャーに転がすように載せたあと、何故か点滴の袋を点滴スタンドから外して自分の腹の上にポンと載せられて「おい…」と思いながらもストレッチャーでガラガラと自分の病室へ。

そこでストレッチャーとベッドを横付けして「転がるように動いてください」と言われて、無事ベッドに帰還しました。その間、約1時間ですが、長く感じました…。
早々にスマホで連れの者への報告とTwitterへの書き込み。Twitterへは当時非公開アカウントで作り直したばかりでしたが多くの返信を頂きました。ありがとうございます。

 

その後(先ほど腹に置かれた)点滴袋は付け替えられ「止血剤と抗生物質が入ってます」と言われた新しいものに交換され、その後何回か無くなっては交換の繰り返しです。点滴のスピードは1時間ぐらいで無くなるので下手に眠れず。
下半身は動かそうとしても動かず、術後2時間経っても戻らないのですが、同じ体勢で痺れているのか違和感は感じるので、上半身をくねらせるように動かして体勢を変えます。ただ、どうも身体が体勢に納得せず、また体勢を変えての繰り返しです。

 

術後4時間で水分補給が解禁となり、予め用意したペットボトルの水を痛み止めと一緒に飲みます。
麻酔がまだ効いているので痛みは全く無いのですが、切れたら絶対に痛くなると思うので指示通り飲みました。
その頃、隣の方も手術に向かわれました。心の中で応援です。

 

昼が過ぎて術後5~6時間ぐらい経過してから少しずつ動かせるようになり、足の指を動かしたり、足首を動かしたりしてほぐしていました。
この動きそうで動かない中途半端な頃が一番違和感を感じていて、痺れが収まらずもどかしい気分になります。

さらに尿意を感じ始めてかなりキツイ状態になりました。昨晩から水分は摂っておらず、先ほどの水分補給も薬を飲むために少し飲んだぐらいですが、やはり点滴の水分のせいなのかなあと。
ナースコールしてその旨を伝えれば前日伝えられたように尿瓶か導尿なのですが、尿瓶もアレですし、いきなり導尿になったらイヤなのと、もう1時間ちょっとの辛抱だろうと思ったので…。

 

そしてある程度動かせるようになったのが術後7時間半後で「もう良いだろうと」ナースコールを押しました。
看護師の方が来て、「もう動けると思うのでトイレに行きたいです」と言うと、腕時計を見て考えていましたが「少し早いですが良いでしょう。」とOKが出ました。

「最初転倒するかもしれないので注意してください」と言われながら、ベッドから起き上がって立ち上がろうとしましたが、一瞬ふらつきました。
ものすごく身体が重い…というか地球の重力を感じます。無重力の宇宙から地球に帰還した宇宙飛行士もこんな感じなのだろうなあと。

身体は支えられそうながらも足はうまく上げることが出来ず、摺り足気味の遅い歩みではあるものの、何とかトイレへ行くことが出来ました。

そのままだと危ないかなと思って便座を下ろして座位の状態で行おうとしましたが、全然尿が出ません。
まだ完全に麻酔が切れていなくて出せないのか、はたまた我慢しすぎなのかですが、多分前者だなあと。尿意はものすごいのに出せないのがものすごく辛いです。
ただ、それを言ってしまうと導尿になるのでそれだけは絶対に避けたいと小量しか出せないながらも出すことが出来ました。残りは後で少しずつ出せば良いかなと。

 

トイレの前に待機している看護師さんをかなり待たせてしまった後、次なる説明を受けました。「パッドの交換」です。
手術で出来た傷からの出血をカバーするためのガーゼを定期的に交換しなければいけません。
手術から1ヶ月以上、このパッドのお世話になります。普通の傷なら数日から数週間で治るだろうとは思いますが、場所が場所だけに治りが悪いのだとおもいます。

パッドは正方形にカットされたガーゼなので、交換してテープで固定して終了です。
難しくも何ともなさそうですが、曲面であり尚且つよく動く部分のため固定が難しく、固定しすぎても動きづらく違和感を感じますし、かといって緩く固定すると外れやすいです。
さらに、手術から間もないため出血量が多くパッドが吸収しきれずすぐに染み出します。マメな交換が必要な上、1枚では足りないので複数枚重ねて固定します。この日は少しずつ小水を出しにトイレに行くたび、交換を行っていました。交換だけで数分かかるので結構面倒です。

 

あと、交換だけでなく傷口の洗浄もマメに行うように指示されます。具体的には温水洗浄便座での洗浄なのですが、これもまた手術直後の傷には辛く、通常の洗浄より「やわらか」モードの最弱でも染みます。それでも勢いが弱すぎるので満足に洗浄出来ないと思いその一つ上を押そうとしますが、なかなか押す勇気が出ず…。

 

こんな感じで初日から結構大変な一日でした。マメにパッドを交換しないと……と思いながらも麻酔の副作用の頭痛があるので安静にする必要がありますし、なかなか落ち着けません。
マメにパッドを交換しても限界があり、病院着もベッドのシーツも汚れます。シーツの下に防水シートが付けられているのでそれ以上は染みこまないものの、ガーゼも相まって蒸れやすいので違和感や不快感はどうしても解消できず。

 

当日の夕食は無しで、何も無ければ翌朝から食事が出るのですが、それが待ち遠しくて仕方が無かったです。ダイエットになるのかなと思いましたが1、2日絶食しただけではさすがに無理かと。
ちなみに痛み止めは指示通り数時間おきに飲んだので、痛みはあまり感じませんでした。かなり強力な痛み止めなんだろうなあと。

 

「痔の手術は手術そのものより手術後が大変だ」とよく聞きますが、身をもって体感しました。
これから長い戦いの第二幕が始まります。

 

(入院3日目に続く)